メゾシェーグ刺繍
今回紹介するハンガリーの刺繍はメゾシェーグ(ハンガリー語:Mezőségi hímzés)
聞いた事が無い方は、きっとほとんどのはず。
日本でメゾシェーグ刺繍を紹介している本は、井沢りみ先生の本くらいでしょうか。
*井沢りみ先生の本についてはこちら→★
知っているあなたは、なかなかの刺繍マニア。自慢していいレベルです。d(´Д`●)
メゾシェーグ刺繍は赤や青、白など一色のみを使い、線を太く刺し、図案の内側もみっちり刺す刺繍。
でーんと迫力があるけど、 ステッチの複雑さが繊細で可愛らしい。 |
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最近は2色もあるのかな? |
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<メゾシェーグ刺繍が生まれた場所>
メゾシェーグ刺繍は、ハンガリーの隣国ルーマニアのトランシルヴァニア地方北部で生まれました。
黄色い部分がメゾシェーグ地域です。 |
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元々ハンガリー領だったので当時からハンガリー人が住んでいましたが、世界第一大戦後ルーマニア領になりました。
今でも少数民族としてマジャール族、つまりハンガリー人が住んでいます。
特にセーク;Székという村は人口が2459人中、ハンガリー人は2306人、ハンガリー人でない人はたった153人と、ハンガリー率がとても高い村です(2011年)。
ハンガリー人の間でも、もし本当のハンガリーが見たかったら訪問するにはオススメの村なんだとか。
このセーク村の刺繍はメゾシェーグ刺繍から派生した刺繍として紹介されています。
袖が蛇腹に膨らんだ民族衣装や、「清潔の部屋」が印象的。 ぜひ一度伺って見たいものです。 |
<メゾシェーグ刺繍の特徴>
- 生地と糸
厳しい自然の中、酪農を営んでいた人々は絹を使わず麻製や、他の植物でできた生地を使っていました。
糸は太い綿のほか毛糸を使用し、色は元々は赤とボルドー、黒の内、1色のみ。
棺のカバーだけは黄色で刺していました。
色の多さではなく、重厚感のあるステッチで刺繍を美しく表現します。 - 図案
図案ですが伝統として確率された図案がなく、当時の流行や個人の趣味で思いついた図案を足して描いていました。
大まかな目安としては、茎部分が太い事、そして図案の外側に刺繍で枠を刺さない事が挙げられます。
モチーフの配置は左右対称かリース状の輪にしたり、模様を交互に繋げたりします。
<メゾシェーグ刺繍に使われるステッチ>
茎や花の外側の線は全てチェーンステッチ、もしくは交互ステムステッチで刺します。
このチェーンステッチと交互ステムステッチは面を埋める時にも使います。
花びらや葉の面部分を刺す時、サテンやヘリボーンステッチ、バスケットステッチを使って装飾性を高めたりも。
今回交互ステムステッチを紹介するにあたり、徳島でハンガリーの刺繍を教えているホルバート・ハンガさんの動画を使用させて頂いてます。
とってもわかりやすいので、ぜひ参考にどうぞ。
またハンガさんのブログでメゾシェーグ刺繍の図案もダウンロードできますよ!
ハンガさんのブログはこちら→★
チェーンステッチ |
交互ステムステッチ1 |
交互ステムステッチ2 |
交互ステムステッチ3 |
アウトラインステッチ |
サテンステッチ |
ヘリボーンステッチ |
バスケットステッチ/トレリスステッチ |
*画像をお借りしたサイトはこちら:★
なお、資料及び情報ははすべてネットで収集していますし、ハンガリーの人に日本語に訳してもらった上で理解しているので、実物や現場での情報に差異があると思いますのであくまで参考に^^:
間違っていたり加えたほうが良い情報がありましたら、ぜひ教えてくださいね。