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クン刺繍

 

 
クン刺繍は羊毛で刺すぷっくりモコモコな刺繍。
素材が羊毛のため、素朴で優しい色合いとグラデーションが独特です。

ハンガリーの刺繍の祖であるという説もあるんだとか。

今回は刺繍の国ハンガリーから、クン刺繍を紹介します(・∀・)


 クン刺繍が生まれた場所

ハンガリー第二の都市デブレツェンから南西に進むとナジクンシャーグ;Nagykunságと呼ばれる地方があります。
クン刺繍はその地域を代表する刺繍。

カルツァグ;Karcag、キシュウーイサーラーシュ;Kisújszállás、クンマダラシュ;Kunmadarasという町や村で刺繍の資料が見つかっています。

ナジクンシャーグの場所

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クン刺繍の歴史

クン刺繍の歴史は古く、現存する作品で古いものだと17世紀頃のものも

17世紀のクン刺繍。
枕カバーです。

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素材は亜麻(レン)など素朴な生地に、ラツカ羊というツノがなんとも特徴的な羊毛も使っていました。
大変興味深いのは羊毛の染色方法で、女性たちは各々自分たちで羊毛を染色していたようなのです。
染料はもちろん自然素材で、玉ねぎの皮からぶどう、エルダーフラワーの実、クルミの葉、更には麦わらや馬のおしっこまで。馬のおしっこは発色の良い黄色で、退色しにくかったそう。
さすが遊牧民の末裔ですね。

ツノがドリドリッっと美しい螺旋を描く羊。
古来からいるハンガリー固有種です。

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また自分で染めるものですから、グラデーションも自由自在。
古い作品の中にはグラデーションを細かくして、色の変化をより自然にした大作もあるそうです。

他の刺繍とは違い多色使いになる前にグラデーション表現ができていたのは、自分で糸を染めていたクン刺繍ならではと言えるのではないでしょうか。

現代に近づくにつれ自分で染める女性もほぼ居なくなりましたが、刺繍はよりカラフルに
そして色の切り替え表現も多く取り入れられるようになりました。

19世紀半ばには他の刺繍と同様に最盛期を迎え、現在では刺す人はわずかとなっています。

発色が強く、カラフルな現代作品。

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クン刺繍の模様

クン刺繍のモチーフは主に花や蔦、ざくろなどの植物です。
なかでも中央の大輪の花部分は「クンのバラ;Kunrózsa」と呼ばれ、左右対称に並べます。

クンのバラも様々なデザインがあります。
この作品は18世紀のもの。 

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「クンのバラ」と呼ばれていますが、実は一般的なバラではなくタチアオイから出来上がりました。

日本でも初夏〜夏にかけて咲くタチアオイ。
スラリと空へ伸び、たくさんの花をつける姿が
美しい花です。
こうしてみると、とてもクンのバラと似ていますね。

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クン刺繍の配置


デザインの配置は至ってシンプル。
2本の太いラインに挟まれるように、中央に前述のクンのバラを配置します。
このときクンのバラの周りを華やかにするように、蔦をつけ小さな葉っぱや花で
飾り立てることもできます。

 

中央にメインの図案を
太い線の外側にはお花をつける。 

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2本の太いラインの外には、小さな花やざくろや葉っぱのモチーフを左右対称に置きますが、
蔦か枝のようなラインをつけ、太いラインに繋げます。

図案は全体的に左右対称にしますが、上下は対称でなくても大丈夫です。


クン刺繍の色
 

クン刺繍には配色に2個ルールがあります。
それは中央の図案と、太い線の外側の図案は同じ色で刺す事と、同じ色の濃淡のペアを使う事

例)濃いピンクと薄いピンクのペア,青色と薄い青色のペア

 

 ペアの色合いを使う事で
統一感のある仕上がりに。

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使われている色のリストとペアリング

  • 赤&濃い赤
  • 濃いピンク色&薄いピンク色
  • 茶色&薄茶色
  • 青&薄い青色
  • 緑&薄い緑色
  • 黄色

 クン刺繍の刺し方

花部分は放射線状に刺していきます。
太いライン部分は垂直に、蔦など角度がつく部分は角度をつけてサテンステッチで刺します

 

サーラーンヴァロット・ウールテーシュ;szálánvarrott öltés
というクローズトヘリボーンステッチに酷似したステッチ。
枕の縫い目部分に使います。

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 クン刺繍のあれこれ

筒井先生の著書「可愛いハンガリー刺しゅう」にはクン刺繍と酷似したホードメゼーヴァーシャルヘイ;Hodmezövasarhelyiという刺繍が少し紹介されていますが、それもそのはず。
なんとクン刺繍を刺していた女性が、ホードメゼーヴァーシャルヘイ村に住む男性のもとへ嫁ぎ、そこで確立した刺繍だから。
受け継がれ、変化するのもハンガリーの刺繍の一つかもしれませんね。

 

クン刺繍について興味のある方は、googleで「kun hímzés」と検索すればたくさん画像が出てきます。
ぜひ一度検索してみてね。ヽ(*´∇`)ノ


 

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